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ご法事(お仏事)をおつとめするときのポイント 〜年忌(年回)法要を想定して〜



そもそもご法事とは?

 ご法事は、縁ある人が集り、僧侶を迎え、ともに仏さまのみ教えを聞き、参加者全員が仏縁を深めてもらうために催す仏教行事です。亡き人をご縁に勤めることから、「亡き人のために」行うものと思われがちですが、ご法事とはあくまで参加者一人ひとりが「わたしのために」つとめる行事です。ご法事の段取りは施主が代表してお世話をしてくださいますが、参加者は故人や遺族のためにお参りにきてあげたお客さんというような心得違いをしないようにしてください。ご法事は、亡き人をご縁として、私が仏法に出遇わせてもらう大切な行事です。 


ご法事の日にちを決めるときは…

 ご法事は祥月命日(亡くなった月日が同じ日)か、その逮夜(前日)におつとめするのが基本です。”亡き人をご縁として”仏法聴聞のご縁を結ぶのですから、亡き人の命日を基本とするのは当然です。又、仏法というのは、世間の用事がないときに(自分の都合がいいとき)に聞くのではなく、世間の用事をさしおいてでも聞くべきものですので、自分の都合ばかりを優先して命日をおろそかにするのは恥ずかしいことです。しかし近年、仕事の事情やそれぞれの生活環境の変化からか、土曜・日曜・祝日を選ばれる方が増えてきました。やむを得ず日にちを変えなければならない場合は、命日の近くの日を選びます。その際、命日より遅れてつとめてはいけないということはありません。又、施主は、なるべくたくさんの方がお参りできるよう配慮して、日にちを選ぶ必要があります。ご希望の日が定まったらお寺にご相談ください。(候補の日が何日かあるとよいです)お寺の都合でどうしてもご希望の日におつとめできないことがありますが、その点ご理解ください。お早めに計画してご依頼くださるとご希望に沿いやすくなります。ご依頼はどれだけ早くても構いません。 


依頼する際は、希望の日時と、おつとめの場所、お斎の有無を

 日にちと時間については希望を伝え、ご相談ください。お電話でも構いませんが、その場合すぐにお返事できないことがあります。ご法事は基本的にご自宅のお仏壇でおつとめいたします。お寺に集まってお寺でおつとめしたい場合は、その旨お伝えください。その際、お供え(菓子・果物)やお仏華等、忘れずにお持ちください。おつとめの後、お斎(おとき)をされる場合はご相談ください。法事の当日に急にお誘いくださっても、席につけない場合があります。


御法事をおむかえする前の準備について

 ご法事をおむかえする前は、必ずお仏壇のお掃除をして、お仏壇のお荘厳(お飾り)をいたしましょう。普段は三具足のところを五具足にします。蝋燭・お華・お香も忘れずに整えておきましょう。お供えについては、毎朝のお仏飯は当然ですが、さらに、餅・菓子・果物などをいつもより豪華にお供えします。打敷を敷いたり、お供えの道具を使って綺麗に上品にお飾りしましょう。お逮夜参り(期日の前日の午後)でお寺にお越しくださる際は、時間をお知らせくださると助かります。確認のため、当日の予定をお寺にもう一度お伝えください。お荘厳を整えて、厳粛な気持ちで当日をおむかえしましょう。 


ご法事当日の進行と施主の注意点

 施主はご法事の準備と進行の代表者です。できるだけ身なりを正し、ご自分のお念珠を用意して、門徒式章をかけて皆と一緒におつとめしましょう。仏さまを敬う気持ちを忘れずに、まず仏さまに一番にお礼をしていくのが施主です。事前に仏さまに関わること、お参りくださる人のことをよく心得て臨みたいものです。挨拶を考えたり、お斎の案内をしたり、とても大変ですが、それが施主なのです。御兄弟など頼れるお方がいらっしゃるなら、準備なども含め役割を分担するなど、お手伝いをお願いしてみてもいいでしょう。手分けしてつとめることで、より親族の結束が深まったりするかもしれません。ところが最近、おつとめを始めるときになっても、施主や家族の方はじっと黙って座っていたり、親戚の方とのお話に夢中だったりして、仏前の準備や法事の進行をすべて僧侶任せにされる方が増えてきました。施主は”おつとめの代表者”としての自覚をもって皆を迎え、法事を進行しましょう。又、突然施主になっても大丈夫なように普段からお寺との付き合いを深め、仏法を聴聞してみ教えのことやお作法等わからないことがあれば尋ねておくようにしましょう。


・なるべく全員でおつとめをいたしましょう。(テレビやラジオは消しましょう)

・おつとめするときはご本尊の方を向きましょう。(僧侶に向かっておつとめしません)

・経卓(きょうじょく)に置くのは聖典(お経本)のみです。(蝋燭立やお華は正しい位置に置きます)

・聖典・お念珠・式章は大切に取り扱いましょう。(床や畳に直接置かないようにします)

・お灯明をつけてお香を焚いてから僧侶を迎えます。

・足を崩す際は、見苦しくない姿勢をおとりください。(ご本尊に足を向けないように)

・ご仏前・ご香典は、こちら(自分)に表書きが読めるようにしてお供えください。

・携帯電話がなってしまわないようにご配慮ください。


最後に…

 ここまで、模範的なご法事のあり方、進め方について書き記してきました。色々と複雑で”難しい”と感じられた方が多かったかもしれません。実際お仏壇のお荘厳を正しく整え、ここに書かれたことを遵守してスムーズに法事を進行していくことは本当に大変なことです。しかし、ただ「できない」「無理だ」と諦めてしまうのではなく、たとえば少しでもどこか一部分だけでもご法事の正しいあり方というものを意識していただきたいと思うのです。そして出来ることなら、先輩方がこれまで大切にしてきた精神と、法事の本来の姿というものを忘れないでいてほしいのです。

 最近のご法事には、いくつかの傾向が見られます。その中の一つに、徐々に小規模化していく点が挙げられます。自分の精神的負担を少しでも軽くしたいためでしょうか、案内を必要以上に少なくしてしまってはいませんか。また”連れていくのに手間がかかる”とか”迷惑をかけるのが心配だ”と言って、あとを継いでいくであろう子や孫をせっかくの仏縁から遠ざけたりする声も聞かれます。子や孫のためにこそ一緒になって仏さまに手を合わせて欲しいものです。どこまでの範囲でどなたまでご案内するかということについては十分な配慮が必要ですが、なるべく多くの方にご縁に遇ってもらえるよう精一杯の努力はするべきでしょう。忙しさに気を取られて、単なる消化作業のようになってしまっては本当に残念です。ご法事はなるべく一生懸命に、どうか出来る限り盛大におつとめされてください。その気持ちや姿は、必ずまわりの方々に伝わります。そういった一人一人の努力が、尊き仏法を後世に伝えていくことになるのです。

 人間として本当に大切なことを次の世代に伝えていくには、もうお寺の努力だけでは間に合わない時代になってきています。み教えを広めていくため、そして何より自分自身がみ教えを大切にしながら生きることができるように”ともに”精進してまいりましょう。そうなることが、仏さまになられたお方々(故人)の願いに応えていくことになるのです。最後に、ここに記したことは、浄土真宗本願寺派 海徳寺のご門徒さまに対するものですので、どのご宗旨、どのお寺においても必ずしも通用する内容ではないことを申し添えておきます。


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